耐結露性残渣を実現するソルダーペーストの開発

2018.3.15

1.諸言

現在の電子部品は様々な分野で使用されており、パソコンから、スマートフォンなどのモバイル機器、家電、自動車に至るまで、身の回りにあるモノの殆どに電子部品が搭載されていると言っても過言ではない。特に自動車に搭載される電子部品は、年々増えているが、自動車は屋外で使用され、かつ人命に関わるために、高い信頼性が求められる。
電子部品を回路基板に接合するには、ソルダペーストが使用される。ソルダペーストは、はんだ粉とフラックスから成るクリーム状の製品であり、基板に印刷し、電子部品を搭載して、リフローはんだ付けをすることにより、上記機器が大量生産されている。はんだ付け後に残るフラックスをフラックス残渣と呼び、近年は環境配慮の観点から、フラックス残渣を洗浄せずに基板上に残したまま、製品とする傾向にある。フラックス残渣の主成分は結晶性を有するロジンで、温度差が激しい(大きい)場合、フラックス残渣に割れ(クラック)が発生する。この割れたフラックス残渣が、使用環境によっては不具合を起こす可能性がある。
弘輝は、その課題を解決するべく、フラックス残渣に柔軟性を付与したソルダペーストを開発し、多くのお客様に使用されてきた。本報では、そのフラックス設計と、その信頼性結果について紹介する。

2.車載実装の特徴

自動車に搭載される電子部品のはんだ付けである車載実装は、その誤作動が人命に関わる大事故につながる可能性があり、信頼性要求レベルは厳しい。また、自動車では、梅雨でじめじめした環境や、夏の暑い環境なども想定しなければならない。このような、高温や高湿度の環境でフラックス残渣の信頼性を確認する試験として、絶縁抵抗評価が知られている。
この絶縁抵抗評価は、はんだ付けの際は特に議論されないが、製品として出荷後に重大な影響を及ぼすものである。したがって、どのような特性よりも優先的に評価され、信頼性上問題がないことが確認されていなければならない。
絶縁抵抗評価はフラックス残渣の信頼性評価試験方法で、JIS Z 3197やIPC-TM-650で規定されており、車載実装においては、より厳しい結露サイクル試験を取り入れるケースが増えてきている。

結露サイクル試験は、車のエンジン部近くの環境を想定したもので、エンジン停止時には常温もしくは低温で、エンジン始動後には高温になって結露する環境を模した試験として提案された。この結露サイクル試験の温度湿度条件は、結露と乾燥を繰り返す環境であり、高温高湿下同様に絶縁抵抗値の低下が発生することが懸念される。

3.結露時におけるフラックス残渣の課題

絶縁抵抗の低下の一つの原因として、マイグレーションと呼ばれる現象がある。電圧印加による金属イオンの移動現象で、最悪の場合は回路を短絡(ショート)させる。基板が結露した状態だと、フラックス残渣のイオン化が起こりやすくマイグレーション発生を促進する。下記にそのメカニズムを説明する。



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