ICTテストとはんだペーストの関係

ICT (インサーキットテスト)は、基板を破壊せずに、不良の発見が可能となる検査です。
そのため目視検査や外観検査装置では発見できないような不良を見つけることができます。
しかし、はんだペーストの種類、実装条件によっては判定結果が大きく異なります。
今回は、はんだペーストとICTおよび実装条件とICTについて報告いたします。

ICT対応製品・未対応製品

ICT未対応のはんだペーストを使用した実装基板を、ICTで検査した場合、基板に全く不良がなくても、フラックス残渣が硬く、はんだ上に厚く 被っていることがあり、ピンがフラックス残渣を割ることができないため、導通せず、不良の判定が出ることがあります。また、ピンが残渣を割り、はんだに接触し、良好の判定が出ていても、枚数を重ねるごとに、割れたフラックス残渣がピン先に付着し、不良の判 定が出てしまい、直行率の低下を招くことがあります。

弊社のICT対応製品は、このような誤判定を軽減させるために、フラックス残渣を柔らかくかつ、割れ難くしました。その効果によりフラックス残渣は、ピンがはんだに接触する妨げにならずまた、割れてピン先に付着しません。よって、残渣付着による直行率 の低下も防げます。

印刷はんだ量とICT検査

はんだ量が多くなると、それに比例してフラックス残渣も増えます。
従って、はんだとピンの接触を妨げる物が多くなるため、直行率の大幅な低下を招きます。

リフロー温度とICT検査

加熱温度が高い場合、直行性が良化する場合があります。
これは、加熱温度が上がることにより、フラックスの粘度が下がりパッドから流れやすくなります。
その結果、フラックス残渣がピン接触の妨げとならず、直行性が良化すると考えられます。

実装後からICT検査までの時間

実装終了後から、検査までの時間によって、直行性が異なります。
実装から3日経過後の基板を試験した際には、フラックス残渣が、翌日のそれと比較して、ピンに多く付着し、はんだへの接触を阻害し、抵抗値を上げ、著しく直行率を低下させる傾向にありました。
これは、実装後から、検査までの経時で、フラックス残渣の状態が酸化などの影響により変化したためと考えられます。

リフロー雰囲気とICT検査

窒素雰囲気でリフローした場合、直行性が向上する場合があります。
これは、窒素雰囲気の効果により、フラックス残渣の酸化が防止され、流動性が維持されます。
これにより、フラックス残渣が一箇所に固まらず、均一にはんだを覆うようになるためと考えられます。

ICT検査での誤判定を低減させるには

  • はんだペーストの選択
    はんだペーストの種類によっては、フラックス残渣が硬く、厚く、はんだ上に被ることがあります。このような状態になると、ピンがはんだに接触するのを阻害し、誤判定を多発することになります。
    ICT検査を行う場合は、ICT対応はんだペーストもしくは、フラックス残渣が柔らかく、薄くなるような製品を選択してください。
  • はんだペーストの印刷量
    基板に印刷されるはんだ量が多くなれば、それに比例し、フラックス残渣も多くなります。
    フラックス残渣が多いと、ピンがはんだに接触するのを阻害し、また割れたフラックス残渣が多量にピンに付着し、誤判定を多発してしまいます。
    ICT検査を行う場合は、メタルマスクの設計を厚さは薄く、開口率は低くなるよう調整ください。
  • 加熱条件
    加熱温度を上昇させると、誤判定が低減する場合があります。
    しかし、はんだペーストの種類によっては、予熱温度を上げすぎると未溶融の要因となり得るため、十分な検証行ってください。
  • 検査までの時間
    実装から検査までの待機時間が長すぎる場合、残渣の状態が変化し、誤判定が多発する場合があります。
    実装24時間後までに検査することで、良好な判定が可能になると考えられます。
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