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低温
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低温はんだとは…
一般的に多く使用されている鉛フリーはんだの組成はSAC305(Sn/3Ag/0.5Cu)が主流となっており、融点は217~219℃です。
現在市場で求められている低温はんだはSAC305より低い融点を持つはんだ組成になります。
その中でも特に注目を集めている低温はんだ組成はSn/Bi系です。
・Sn/58Bi 融点 138℃
リフロー設定温度もSAC305はんだより40℃~50℃程下げることが可能で、省エネ、CO2削減(カーボンニュートラル)に貢献する接合材料です。
低温はんだの市場要求
現在、はんだ接合にはSAC305合金組成が一般的に用いられています。
しかし、基板の多層・薄型化、電子部品の小型・薄型化の傾向が著しく、これらの基板、電子部品を使用する上で次のような問題が起こってきました。
基板の反りに起因する接合不良の発生、PET基板のような低耐熱性基板への実装検討、低耐熱性の電子部品の後付けに伴う作業工数の増加、など。
このような問題を解決するために、基板の反り低減、低耐熱の基板対応、後付け電子部品の一括リフロー化の実現が可能なはんだ組成として、低温はんだが注目されています。
鉛フリー低温はんだの使用例
低耐熱部材のはんだ付け
SAC305(融点217~219℃)では耐熱性能を超えてしまう部材(超精密部品や樹脂部品、PET基板、その他)や、FPCなどリフロー中の熱反り懸念がある実装工法で、低温はんだを使用。
後付け部品の一括リフロー
コネクタなどの樹脂部品を他のSMT部品と同時にリフローすることができ、工数を大幅に削減することが可能になります。
低コスト・省エネ・CO2削減効果
低温はんだを採用することで耐熱性の高くない部品や基板(紙フェノール基板等も)を使用でき、部材の低コスト化が図れます。
また、リフロー・フロー等のはんだ付け設備の稼働温度を下げられるため、電気代の節約、省エネ化、CO2削減(カーボンニュートラル)への貢献に繋がります。